裏道万屋の事情

『はぁ………。』


先に一人で家に着いたあたしはリビングに行った。

リビングには弘さん以外の三人が椅子やソファに座っている。


「お帰り、ナオ!!」


ユウさんがテレビを見ていた目をこちらに向けて言った。


『…ただいま。』

「何か元気無くない!?何かあった??」

『いえ、別に…何も。』

「そうかぁ〜??」


ユウさん鋭いな…。


「何だよ。大人しいお前なんて気持ち悪いだけだぞ??」


こヤツは―――…

もっと他に言い方無いんかコラ!!!!


「…おや??そういえばアラシはどうしたんだい??一緒に出掛けていったのだろう??」

「あ??何だ見当たんねぇと思ったら一緒だったのかよ??で、あいつはどーした??」


ぇえっ??!!

せ、説明できる訳ないじゃんかっ!!!!
手握られてテンパって水ぶっかけて先に帰ってきたなんて…!!!!!!


「あ、菜子ちゃんお帰りー。お風呂空いたよー。」


ナイスタイミングでお風呂上がりの弘さんがリビングへ入ってきた。


「海行ってたんだって??夜の海も良いよねー。」

『はい。綺麗でしたよ凄―…』





ガチャッ





ギクゥッ!!!!!!

嵐が帰ってきたぁ??!!



『ぉぁあああああたしお風呂行ってきまぁぁす!!!!』

あたしは慌ててリビングを飛び出してお風呂場へ向かった。

幸い、着替えなどは朝置いといたので直行できる。





「何だい、あの慌てようは??」

「さーなぁ。初めて会った時から変なヤツだからなぁ、あいつ。」

「でも絶対おかしくねぇ??あのキョドり方!!!!」

「うーん…もしかして嵐くんと何かあったのかなぁ??」

「「「え??」」」

「何気良い雰囲気っぽいしさーあの二人。」

「まさかな…あの嵐と菜子が……??」

「えっナオとアラシまさか付き合ってんの?!」

「多分まだじゃないかなー??」

「そうかいそうかい。…ならばっ!!ここは先輩である僕達が一肌脱いであげようじゃないか!?」

「「「は??」」」





「…いいかい??まず、―――。」