「こっち。」


輝さんは本通りの脇の裏道に入っていった。あたしも後に付いていく。


『へー。こんな裏道なんですねー。』

「んー…まぁ細々とやってる仕事だから。」

『何でですか??もっと大々的に売り込めば『万屋』なんて便利なシステム、絶対みんな食い付きそうなのに。』

「生活費は確かに必要だけど…別に大儲けのためにやってる訳じゃぁねぇからな。それに、本当に『万屋』が必要な人は目立たない裏道だろーが何だろーが必ず来るもんさ。」

『――なるほど…。』



うーん…きっと過去に何かあったのだろう。
でもそんなに長い間住み込むわけじゃないし、あんま人の事情に踏み込んじゃいかんよね、うん!!



過去を聞くのはやめとこう。

そんで普通に立ち去っていこう。