不良達から上手く逃げ切ったあたしと金髪は金髪の家に向かう。


『ところで、お兄さんのお名前は??』

「俺は桜庭 輝明(サクラバ テルアキ)。輝さんって呼んでくれても良いけど??あんたは??」

『はいはい、そう呼んでほしいんですね。あたしは叶 菜子、高2です。』

「了解。ってか、高2とかマジ若いな…。その年で家無い(?)ってある意味凄いぞ、うん。」

『いやぁ〜そんな自立して健気で素敵だなんて〜…、それほどでもありますけど!!!!』

「いやいや、全く以て誉めてないからね??ってかどう考えても美化して捉え過ぎじゃね??あんた実は人の形した自動翻訳機か??」


もうこの件はネタにしてボケに持っていくことにしよう。
ってか、輝さんマジ良い突っ込みするなぁー。

これだよこれ!!
あたしが求めていた返しは!!!!


『まぁそれはさて置き…本当勘弁してほしいっスよ、あの人達…。ってか、輝さんは働いてるんですよね??何の仕事してるんですか??』


あたしの見た所、輝さんの職業は全く見当が付かない。
しかし――改めて見ると本当整った顔立ちだなぁ。

これで案外ホストとかだったりして――。


「俺はまぁ細々と『万屋』ってもんをやってる。」

『はい??『世路艶』…??』


何だそれ。


「違う、『万屋』。ん〜…一般人にはあんま馴染みのないもんだからなぁ。平たく言えば何でも屋ってとこだな。要するに、依頼人が頼んだ色んな内容の依頼を果たして報酬を貰う。それが『万屋』の仕事だ。」

『へぇ〜…それってめっさ大変じゃないですか??』

「まぁ〜依頼人の依頼内容にもよるが、それなりに色々なことに対応できる力が無いとこの仕事はまずやっていけねぇな。」


ふーん…

輝さんも見かけによらず大変なのね。
もっと楽な仕事、他にいくらでもありそうなのに。