三時間くらいしてあたし達は海に到着。


さっきまであんなに不愉快だったのに、海の風に当たったらそんなのどこかへ吹き飛んでしまった。


『夏だ〜!!海だ〜!!!!』

「イケメンパラダイスだ〜!!!!!!」


…ぁあ゙っ?!

あたしの言葉に変なもんくっつけて便乗してんじゃねぇよっ!!!!

あたしは思いっきししかめた顔で便乗してきた張本人、ユウさんを凝視。

しかしヤツは全く動じない。


「ナオってばやる気満々だな!!俺は嬉しいよん♪」

『は?!』

「だって今の、俺の店の合い言葉じゃんっ!!それも有名になったもんだなぁ。」

『…合い言葉??』

「『夏だ!!海だ!!!!イケメンパラダイスだ!!!!!!』だよ。今日のトークの出だしは客とそれの掛け声で始まるんだぜ??」

「本格的だな…。あーメンバー帰って来ねぇかな…。俺嫌んなってきた。」

「何言ってんのさ輝。仕事仕事!!いつも通りやれば平気だろー??」

「あのなぁ…いつもとは訳が違ぇだろ??俺キャラじゃねぇ。」


お??
いつもは文句一つ言わない輝さんが嘆いてるぞ??

うへへ良い気味だゼっ!!
…って言いたい所だけど、実際同じ立場ってかあたしの方がかわいそうだから何も言えねぇっ!!!!

残念…。


「じゃ、あっちの更衣室で着替えて、店の準備整えてから掛け声練習するぞ!!」


はぁ〜〜〜…。















「夏だ〜…」

「海だー!!」

『イケメンパラダイスだぁぁあっ!!』

「ストップストーップ!!テルやる気無さ過ぎっ!!ナオ投げやり過ぎっ!!ヒロ超良いよー!!アラシは何か言おうね??」

「…俺イケメンパラダイス言ったんだけど。」

「そかそか。ナオに掻き消されたんだな??」


もうちゃっちゃと終わらせてちゃっちゃと帰りたい…。

今年の夏は長くなりそうだ――


「夏だ〜…」

「海だー!!」

『イケパラどぅわぁぁぁあっ!!!!』

「ダメダメっ!!テル変わってないっ!!ナオ略すなっ!!ヒログッジョブ!!アラシ頑張れっ!!」



教訓 9... -end-