「んじゃ、学校行ってきます」


「おう、行ってら」


俺に背を向けて学校に向かう、美鈴音亜。


俺も自分の学校に向かって歩き出す。


音亜は俺より1個上で同じ施設で育った、姉貴みたいな奴。


まぁ、ぜってぇ姉貴なんて思わねえけど。


初めて見たのは4歳の冬だった。


産まれてすぐ光子さんに拾われた俺は、初めての子供だったらしく1人育てられた。


4歳になった冬、光子さんがいきなり女の子を連れて帰ってきた。

「音亜ちゃんよ。幸司、仲良くしてあげてね」