「幸司が座りなよ」

俺に席をゆずろうとするけど、電車が揺れた拍子に音亜の体制が崩れる。


「ほら、女は黙って座ってりゃいーの」

「ありがとう…」


吊革を持って音亜の前に立ってると、後ろから声が聞こえた。


コソコソ

「ラブラブだねー」
「彼氏優しいー」


小声なのだろうけど、真後ろで話しているからしっかり俺らに聞こえてて、


「恥ずかしい…」


音亜は顔が真っ赤だった(笑)