音亜が驚いた顔でとまっている。俺は音亜の視線の先を見ると、そこにはアイツがいた。


「よお……少し良いか」


アイツは遠慮がちに言うと、音亜に一歩一歩近づいてくる。


「音亜……」


「……………大丈夫」


俺が音亜の前にたってふさごうとすると、音亜は俺の腕を掴む。



「大丈夫だから先に帰って…」



「……‥わかった」


俺は胸がクシャクシャしたままアイツの横を通る。


ただそれだけで帰るのが嫌で、俺は肩を強く掴み、耳打ちをした。


「音亜泣かせんなよ………。今回だけだかんな。……泣かしたら、そん時は殺す」


アイツはこんな時にも笑って返してくる。


「…上等」


俺はその言葉をきいて、まっすぐ前を見据えてそのまま歩き去った。



「幸司なんか言った?」


「いや、大丈夫。…少し公園の中で話そうか」


2人が公園へ入っていく。


俺は結局、弟だったんだな。


ハッ………だっせ。何が俺のものにする、だよ



………………………音亜、