「麗」


懐かしい声が、扉を開けた瞬間太陽の光と


共に差し込んできた。


…後ろを向くのが怖い。


父上が、もし昔と変わっていたらどうしよ


う…そんな不安がすごくある。


でも、振り返らないと…。


「…父上…?」


一瞬目を疑ってしまった。


…この人は、本当に父上なのだろうか。


昔の父上の面影は、全く残っていない…。


「大きくなったな…」


「…本当に、父上なのですか…?」


「あぁ。そうだ。昔とは随分と変わってし


まったがな…。」


…お酒臭い…。 
まさか、父上が、お酒を…?


「…随分と、変わってしまったのですね…」


「…5年もあれば人はここまで変わる。」


「お酒まで…」


「…昔のわしと比べるな…。」


涙が溢れそうになったのを必死でこらえた


「…はい。」


「さぁ、今日は豪華な飯だぞ!」


「え…?」


「お前がここにきた記念だ。喜べ!」


「はい…!」


「芹沢さん…」


一人の男性が、呆れたように父上の名前を


呼んでいる。


「また飲んだのか?」


「お前には関係ないだろう。」


「こっちは、芹沢さんに体壊されちゃたま


んねぇんだよ。」


この方は、沖田さんより少し怖い。


でも、顔立ちが凄く綺麗で、長い黒髪…