「ヤエ…?」


……寝心地悪いよ?


あれ?
私を呼んだ?


「ヤエ…おはよう!」


目を開けるとケンが横で、欠伸をしていた。


「おはよう!」


「びっくりしたよ!また、どこかに掠われたんじゃないかって!」


「はっい?」


あのね〜!
ケンが「大」の字で寝てるから!

っつーか?
足蹴りするから!


「ベット欲しい!」


寝ぼけがいつも収まらないケンに向かって!


もう一度、トーン上げて!
耳元で!

「ベット!大きいベット!」


「…?…」


半分寝てるのかしら?


「分かった!頑張るよ!」

ギュッ!

ケンは私を抱きしめながら

「祈ってて!ヤエの分まで今日、頑張るからぁぁ……スースー♪」


私を抱きしめたまま。

肩の上に乗った頭が?

ペコリと垂れた。


おい?
また、寝ちゃった?


「起きてよ〜!!」