やがてボロボロの家のまえで止まる

屋根もなければドアもない。

しかしここがジョットの家だ

ジョット『ただいま…飯貰ってきたぞ』

そういって中に入ると出てきたのは小さな子供達

子供『わーい!お腹ペコペコだよぉ』
子供『ジョットおそーーーい』
子供『ジョットあそんでーーー』

3人がいっきにジョットに抱きつく
バランスを崩しそうになったところなんとか踏ん張り

ジョット『お前ら…たく…メシ食べてから遊んでやるから…』

ゴミ袋を机に置きそこに群がる子供達…

???『また米兵から取ってきたの?相変わらず懲りないねー』

奥の影のほうから声がする
ジョット『うっせーなぁ。今日はちげーよ。もらったんだ…なんか外に出るなとか言われてよ…』

???『へぇー珍しいわね。外に出るなって。いつもは出てはたらけー!!とか言うくせに』

そう文句をいいながらでてきたのは黒髪の
ボサボサになった女の子

ジョット『なんかお偉いさんでもくんじゃねーの?アニス、お前見てくるか?』

笑いながら問いかける。アニスと呼ばれた女の子は黒い瞳。日本人だ

アニス『いくわけないでしょ…米兵なんて嫌いだもん…偉いさんがきたところで何よ?って感じだわ』

不機嫌そうに文句をたれる。
そう言いながらもちゃっかり名前を貰ってるんだから
いったいどうやっていただいたんだか…

ジョット・S・ライオネット
それが俺の名前…
髪型も振る舞いも米兵のマネをして
媚びてまでして手にいれた名前。

名前があれば物を持つ権利が与えられる。
俺の場合は食料

そしてこの
アニス・カートン
ここの家の持ち主だ

まったく日本人なのにこんな名前で…
違和感が半端じゃねーんだよなぁ

そしてまた夜があける
お風呂もないから飯をたべたら
適当にちびの相手をして寝る、
そんな毎日を送っていた。
そしてこれからもそんな毎日が続くと思っていた。
この時までは。