『おはよー』 『おはよ!』 学校に行くといつもより遅くなったせいか人が多かった。 「この時間帯って人多いよね」 思わず声に出すと奏斗がいきなり笑い出した。 「な、なに笑ってんのよっ!失礼なやつっ!」 軽く奏斗の肩をたたく。 「悪い悪いっ!…なんかそんなことを真顔でいうから莉子らしいなって思って…ぶははっ!」 今だ笑い続ける奏斗に呆れて手を引っ張りながら玄関まで歩いた。