だが岩に当たる音はしなかった。


「この姿で会うのは何百年振りだろうねぇ?」


岩に当たりそうになった所で宝箱を受け取ったのは、昼間の魔女だった。


「…もうちょっとだと思ったのに…!」


ステファニーは悔しそうに下唇を噛んだ。


「…残念だけどねぇ、あんた達が三人まとまった所で私にには敵わないよ?」


魔女はそう言って怪しく笑うと、三人を吹き飛ばした。


「…痛て…」


三人は勢いよく水面に打ち付けられたが、おじさんは何かを思いついたような表情になった。


「ステファニー様、歌ってください!」


「歌ってって…」


ステファニーは言いかけた所で昼間の事を思い出した。


「分かりました!」


そう言ってステファニーは歌い出すと、魔女は怪訝な顔をしていた。


「…まさか…」


魔女は悔しそうな顔をしたが、襲ってくる睡魔に勝てず、ウトウトし始めていた。