「二人乗りするしかないね。」


「じゃあエリックが前ね!」


そう言ってステファニーはエリックを前に押しやった。


「…しょうがないなぁ…じゃあ飛ぶことをイメージして!」


二人は目を閉じて、飛んでいる景色を目の裏に思い浮かべた。


「せーので飛ぶよ!」


「うん!」


「「…せーの!」」


ふわっと体が浮く感覚がして、二人は地面から飛び立った。



焦る気持ちからか、船に近づくにつれ、スピードも加速した。


「エリック、そろそろスピード緩めなきゃ!」


「…うん!」


そうして船の前で止まり、二人は流木から降りた。


船の上にいた人々は皆、目を丸くして二人を見ていた。