「えーっ!そんなひどい話なのー?」



エリックはつい声をあげた。



「覚えてないのー?私、小さい頃納得いかなくて何度も読んだのよ。」


「そうだっけー?」



エリックはまるで覚えていないようだ。



「でもそれ、本当の話らしいの…。」


「えっ!そんな理不尽な話が実話なの?」


「…うん。私もそうなっちゃうのかなって…!」



そう言ってヴァレンティーヌはまた泣き始めた。