「じゃあ今日は奮発してオニオンスープにしようかしら!」


「本当⁈久しぶりね!」


「今日はエドガー君が来てくれてるから特別にね!」


そう言ってクリスティーナの母は腕まくりをした。



玉ねぎを刻んでいるのであろう、キッチンからは規則正しい音が聞こえてくる。
エドガーには馴染みのない音である。


そんな事を考えていると、急にクリスティーナはエドガーに話しかけた。

「ねぇ、そういえばエドガーの実家ってどの辺にあるの?寮に暮らしてるんだよね?」


エドガーはつい、クリスティーナの思わぬ質問に思考が止まる。

そんなエドガーの様子を、クリスティーナは黙って見据えていた。


「…今は寮暮らしだけど、実家はこの町ではないな…」


「だから寮に暮らしてたのね!」


苦し紛れに答えたエドガーだが、その答えにクリスティーナは納得がいったようだ。