それからしばらく俺の上に乗っかったまま詩織は泣いていた。
頭をゆっくり撫でて、俺は泣きやむのを待った。
俺はこれからどうしたいんだろ?
美菜に告白したってどうせフラれるのはわかってる。
アイツは
健哉が好きなんだから。
俺の事はどんな近くにいたってただ友達。
美菜の笑顔も優しさも絶対に手に入らない。
そんな告白しても無意味じゃんかよ…。
「櫂の家の場所ね…
未菜に聞いて来たの」
さっき詩織が持ってきた買い物袋
その中から
一冊の女性ファッション誌を取って、俺に渡した。
パラパラと中をめくって見ると、詩織と未菜が何ページもオシャレな服を着て載っていた。
未菜って…森山未菜。
俺は飛び上がって起きた。
「どういう事?」
「あたしと未菜はモデルやってるの。
未菜が大学に変わった人がいるって言ってて、話聞いてたら櫂の事じゃないかなぁって。
未菜と櫂が知り合いなんて驚いたよ…」

