「櫂の都合のいい女だっていいから…」
強く抱きしめられてその言葉を聞いた瞬間
俺は我に返った。
「ごめん…」
「なんで謝るの?」
「あの時……健哉をケガさせて自暴自棄になってた時。
俺どうしていいかわかんなくって」
「あたしを抱いたんでしょ?
わかってたよ、愛がなかったのは
それでもあたしは好きな人と1つになれて嬉しかった」
「やっぱりあんなのよくなかったんだよ。
俺の事をずっと好きでいてくれて、いつも近くにいた友達に…
本当にごめん」
謝ったって許してもらえない事をしたってわかってる。
たった1回だけ
1回だけでも愛がなかったのにそういう関係になってしまった。
「美菜に早く自分の気持ち伝えなよ…
サッカーはケガが付き物でしょ?櫂はわざとケガさせたわけじゃないじゃん!!
好きなら好きってちゃんと言いなよ」

