私の名前は伊藤千晃。
お父さんは仕事で単身赴任に行ってるからあんまり家に帰ってこられない。
だからいつもお母さんと2人で楽しく頑張ってる!!!
お母さんはとっても優しくて、
お父さんは私のことをいつも気にかけてくれて、私はそんな2人が大好き!!!

「ちあきー。ご飯できたよー!」
「はーい!今行く!」
私は毎朝お母さんが作ってくれる朝ごはんを食べて学校に行く!
お母さんのご飯を食べないと1日元気が出ないんだー。
「いただきまーす!」
おいし〜〜〜〜〜!!!
お母さんのご飯を食べている時が1番幸せ!

「ごちそうさまでした!」
私は部屋に戻って制服に着替えた。
「っよし!今日も1日がんばろ!」
「千晃ー!柊太くんと真くん来たわよー!」
「はーい!」
ードタドター
「あ、千晃!はい、お弁当!!!」
「ありがと!じゃ、行ってきまーす!!!」
「行ってらっしゃい!」

「柊太、真お待たせ!」
「おはよ千晃!」
「はよ!日高の家いこーぜ!あいつぜってーまだ寝てるからよ!」
「そーだね!」
それからだっちゃん(日高)の家に行って、最後にひろの家に行くって毎日の日課?みたいになってるの。
柊太も真も、だっちゃんもひろもみんな私の幼なじみで小さい頃から仲良しだったの!
もう一人由佳って子がいたんだけだど、転校しちゃって今はこの5人でいる事が多いかな?

ー学校ー
「…あ、千晃おはよー!」
「千晃おはよー!!」
クラスの皆は毎日あいさつをしてくれる。
でも、今日はなんかみんなザワザワしてる。
「ね、なんかあったの?」
「え、千晃知らないの?今日からウチのクラスに転校生がくるんだよ!」
「そーそー!それにその女の子超かわいそうなんでしょ?」
「かわいそう?」
「なんか、親も親戚もいなくて一人暮らししてるんだってー」
「かわいそーだよねー」
なんか、心が切なくなった…
私はひろたちがいる所に戻った。
そしたらだっちゃんが勢いよく教室に入ってきて、
「なぁ聞いたか?今日転校生がくるらしいぜ!?」
だっちゃんは情報が早いよねー笑笑
「あ!それ私も友達から聞いたー。なんか可哀想な女の子なんでしょ?」
「なんだそれ笑」
「今時珍しいな。もぅ3学期だぞ?」
「急だったんだな!!!」
そしたらだっちゃんが転校生の事情を話始めた。
転校してくる子はきっと、悲しかっただろうな…
私、話しかけてみよ!

キーンコーンカーンコーン♪

先生が入って来た。
ひろが先生に怒られたり、結構話が長かったけど…
「さっきも言ったが今日からこのクラスに女子が増えるぞー西野入って来い。」
西野さんって言うんだ!
教室に入って来た女の子は、一言で言うととってもキレイ…!!!
目は綺麗な二重で大きくて鼻はすぅっとのびてて、
『キレイだなぁ…』
でも、その子はなんか悲しそうな顔で
「…西野実子。2つ隣の市から来ました。
…私は誰とも仲良くなる気はありません。友達もいりません。よろしくお願いします。」
え?どうしてそんな悲しい顔をしてそんな悲しいことを言うの?…わざと人を寄せ付けないみたいに。
「…じゃー今日から伊藤の隣がお前の席だからな!!!伊藤仲良くしてやれよ!」
私の隣!?
「…あ、はーい!」
西野さんは皆の前であー言ってたけど、本当は皆と仲良くしたいし、友達も欲しんじゃないかな?だったら、私が話しかければいいんだ!
「西野さん、よろしくね!」
西野さんはちょっと驚きの目をして…
すぐに悲しい目にもどって
「………よろしく。」

キーンコーンカーンコーン♪

お昼だ!西野さんを誘うチャンス!
「にしの…さん」
西野さんはすぐに教室を出ていってしまった。
なんで誰とも仲良くしたがらないんだろ?
前の学校でなんかあったのかな?
「おーい、千晃!飯食おーぜ!」
いつものように柊太や皆が私を待ってくれていた。
…でも、西野さんの方が先だ!
「先食べてて!私ちょっと行ってくるところがある!」
私は走った。多分西野さんは屋上にいる。
直感的にそう思った。

ーガチャー
そこにはやっぱり西野さんがいた。
「あ!いたいた!西野さんこんな所にいたんだ!よかったら一緒に食べよ?お弁当!」
私、考えが甘かったのかな?
お昼を誘えば皆OKしてくれるなんて…
西野さんも誘えばきっとOKしてくれるって
心のどこかで思ってたのかもしれない。
でも…
「…いい。1人でいい。」
西野さんはOKしてはくれなかった。
「なんで?皆で食べた方が美味しいよ?」
「じゃあ、伊藤さんはお友達と食べればいいじゃない。」
なんか、ますます悲しい顔になってる…
どうして?聞きたいけど聞いたらきっと西野さんはいなくなってしまう…そんな気がして聞けなかった。
「んーそうなんだけど。西野さんとも食べたいな…」
西野さん、泣きそうだよ?ってか泣いてるの?西野さんの顔を涙のような雫が一粒流れてた。
でも、西野さんの涙じゃなくて、空から雨が落ちてきたんだ…
「雨降ってきちゃった!西野さん、中でお弁当たべよ?」
「…ない、」
雨の音で西野さんの声が聞こえなかった…
「…え?」
「いいって言ってるじゃん!私は友達なんていらない!誰とも仲良くなる気なんてない!もう話しかけないでよ!そーゆーのウザイから!!」
いや、もしかしたら聞こえていたのかもしれない。聞くのが怖かったからあえて聞かなかったのかもしれない。でも、もう聞こえてしまった…
私、西野さんにとってウザイ存在?
私、間違ってたのかな…
初めから西野さんは友達いらないって言ってたのに、私の勝手な思い込みで西野さんを怒らせてしまったの?
私は西野さんに何も言い返せなかった…
そして雨の屋上に西野さんを残して私は教室に戻った…

「あ、千晃ー!おせぇーぞ」
「なんでそんな濡れてんだ?」
「外でも行ってきたのか?」
「おーい!ちあきー?聞こえてるかー?」
「…よう。私、最低だ。」
その後どうやって授業を受けて、どうやって帰ってきたのか、わかんない…

ー西野さん…ー