はぁ、と大きく深呼吸をして息を整える。



公園の中にはブランコがあったので、あたしはそれに乗って大きく息を吐いた。



白い、白い息が、空に上がって消える。



ここは、気持ちがいいな。



空気が澄んでて、耳障りな音が一切なくて。



世界にはあたし一人しかいないみたいな感覚。



すごく落ち着いて、すごく、淋しい。




「何、してるの?」




声のした方に顔を向けると、そこには同い年、それかあたしより少し年上ぐらいの男の人が立っていた。



仄かに照らされたその顔を見て、思わず目を見張る。



そのくらい、その人の顔は綺麗で。



ここからでも分かる、色素の薄い茶色のサラサラの髪。



少し冷たい印象を受ける切れ長の瞳は、青みがかった茶色という、不思議な色合いをしている。



形の良い薄めの唇は軽く閉じられていて、ほどよいピンク色。



ヘタしたらそこら辺の女子よりもキスしたくなる唇なんじゃ、と疑わずにはいられない。