本当に調子がいいなと思いながら、愛梨沙より先に下に降りていった。

「呼んできたからすぐ降りてくると思う。」

お母さんがコーヒーを飲みながら返事をした。

「んー。ありがと、愛海」

愛梨沙が降りてきた。

「もぅ。いつも早く降りてきてって言っているでしょう?」

愛梨沙が反論にかかった。

「ママ!だから縮毛矯正させてっていつも言ってるのよ!」

愛梨沙はふわふわのくせ毛でいつもまとめるのに苦労している。

私はストンとしたストレートなので、羨ましくもあるけれど、めんどくさいのは嫌いだ。

お母さんもすぐに言い返す。

「早く起きて、自分で結べばいいでしょう!?」

「自分でできないからお姉ちゃんにしてもらってるのよ!?」

あー、うるさい。

毎朝毎朝この繰り返しだ。

ついにお父さんが止めに入る。

「はいはい、かわいいお二人さん。そろそろ食べないと冷めてしまうよ?」

「「わかりました!」」

ついつい感心してしまうほど見事なシンクロ。さすが母娘だ。

まだ二人はいがみ合っているようなので、先にいただくことにした。

「いただきます。」

今日は和食なんだーとか他愛も無いことを思いながらもくもくと食べていく。

『今日の天気は晴れ時々曇りとなるでしょう。念の為傘を持っておくと安心です。』

テレビからいつものお天気お姉さんの声がした。