「ちょっと!何してるのよ?」

開けた瞬間、妹の髪の毛に驚いてつい声を出してしまった。

「お姉ちゃーん。助けてー」

たく手のかかる奴だ。

「わかった、わかった!」

私はすぐに愛梨沙の髪を手にとった。

「どうしたいの?」

愛梨沙は少し考えてから答えた。

「三つ編みでまとめたシニョンにしてー?」

シニョンとはお団子のことだ。

「わかった、わかった」

「あっ、前髪とサイドを少し残してね?」

私はチャチャッとシニョンをつくり、
スプレーで軽く固めた。

「はいっ。できた」

「さすがお姉ちゃん!ありがとー」

「愛梨沙、早くしないと遅れちゃうよ」

「わかってるー。」