麗嶺は基本宿題(というか勉強全般)をしてこない。

別にバカでも賢いわけでもない、5段階評価でいうところの3という感じ。

まぁ、麗嶺は絵の才能をもっていて、そっちの方で忙しいんだと思うけど。

「さっすが愛海」

目もくれずに私に告げる。

「じゃあ自習室行こー。」

これも私達の日課である。

麗嶺は宿題を移すために、私は復習のために、朝は特に人の少ない自習室に向かう。

桜座女学園の設備はすべてが最上級。

自習室や図書館はもちろん、教室に体育館に、カフェにダイニングルーム…。

とにかくあるものすべてがこれでもかというほどに手が施されている。

トイレまでというからさらに驚きだ。