「それにさ、おまえ。同期の小林が仕事任せてもらえたからって、ふて腐れるなよ。」


げっ、バレていたのか‥‥

向井さんが、動かしていた手を止め私を、フンっと鼻を鳴らすように不意に見た。


ひょえ〜、恐い!!


「すいません。」


向井さんって笑うときは、めっちゃ笑顔の人なのに、いつも何かしら、私に厳しい。


怒られては、凹んで立ち止まる。そんな私を見ているのも、向井さんかもしれない。

私の他に、四人の従業員がいるけども、私ともうひとり女の子の同期の子がいる。

私が努力型だとするならば、小林さんは、天才型?とでも言っておこうかな。

いつも、小林さんは私にはまだ出来ない仕事もさせてもらっていてさ‥‥‥


「そんな気持ちばかりいたら、頑張ってるおまえが可哀そうだろ?」



向井さんは、手を止めもう一度、私を見るように覗いてくる。


‥‥‥‥えっ?今、なんて?