すると男はゆっくりと顔を上げて私を見た。 「「あ」」 ……ハモった。 あーあの夜の男だ。まさかこんなとこにいるとは。 男は目尻を下げて笑い、あたしに向かって大きく手を振った。 「おーーい!かーのじょ」 こんな店の中でそんな大声出さないでよ…。 これ以上大きな声で呼ばれるのも嫌だったから私から男の方に行った。