その時

「大丈夫?」

頭上から声がした

顔を上げるとそこにいたのは
さらさらの黒髪で綺麗な顔立ちをした男の子

私の制服を見ると目を見開いて言った

「月光中学?」

「はい…」

「月光中学の演奏って次だよね?」

「え!?」

もう絶対間に合わないじゃん
涙が頬を伝う

するとその男の子は私の手をひいた

「?」

「早くしないと間に合わないよ?ほら、立って?」

すくっと立つと彼は私の手をひいて走りだした

「あわわわわっ」

速い速い!!今にもこけそうになる