「この女性、誰かわかりますか」 優衣が聞くと、香織は静かにうなずいた。 「はい。何度かお会いしたことがあります。彼女は、夫のホテルのフロント係の女性です。名前は倉敷麗奈(くらしきれな)さん。」 香織は目元をハンカチで拭くと立ち上がった。 「ごめんなさい。調査。ありがとうございます」 それだけ言って応接室を出ていこうとする。