森田当麻の奇妙事件簿


「うそ……でしょ」

日向の瞳に浮かんだのは涙だった。

部屋には優衣と当麻。二人きり。

社員に感情移入なんてしなかった当麻がなんで……。

日向は、はっとして涙を拭うと歩道を走り出した。

「日向さん。」

声をかけられ、我にかえる。

「な、何?」

「書類の確認。お願いします」

「あ。うん。」

だめだ。仕事中に余計なこと考えちゃ。

日向は自分に言い聞かせた。