当麻はうなずくと、雨に濡れた髪を左手でかきあげた。 「寿司屋の大将が言っていました。あなたは、昼に予約をしにきたんじゃなく、夜に予約をしにきたと。」 その瞬間、脇田の表情がすこし強張った。 「こいつには言ったんですよね?昼に予約をした、と。……なぜ、嘘を?」 「……最近は物忘れが激しいものですから」 「『私は和樹様に全てを託す』。これ、どういう意味です?」 「それは……」