『はい。ロストホテルです。』

若い女性が電話に出た。

「すみません。記者の森田と言います。」

そう。行くのが面倒ならば、呼べばいいのだ。

「すこしお聞きしたいことがありまして。今、ホテルのロビーにいるんです。お話に付き合ってくれませんか」

『はあ……。少々お待ちください』