森田当麻の奇妙事件簿


なぜ?

声に出さずともそう言われている気がする。

「あの……。松谷紀之さんが亡くなられたのはご存じですよね?」

「はい。ですから、旦那様のお通夜のご用意をしなければなりません」

「忙しいのは分かっています。少しだけでいいんです。お願いします!」

優衣は頭を深々と下げた。

脇田が慌てたように

「お顔を上げてください。」

と優衣の肩を叩いた。

「お願いします!」

「……分かりました。ご案内します」

「ありがとうございます!……あっ。荷物持ちますよ」

優衣は脇田のスーパーの袋を持った。
脇田が優しく笑う。