当麻が前を向いたまま、答える。
「社長は?行かないんですか?」
「生憎だが、俺はあいつの顔を二度と見ることなく死にたいんだ。行くなら一人で行ってこい。」
なんと無茶苦茶な。
まあたしかに、昨日みたいに二人の言い争いで冷や冷やしたくない。
それに和樹に聞きたいこともある。
「……分かりました。行きます」
「俺はその間にホテルに行く。聞き込みが終わったら連絡しろ」
「はい。」
優衣が素直にうなずくと、当麻が満足したように笑った。
「あ。俺からあいつに聞いてほしいことがひとつある。」
当麻が真顔に戻り、優衣をみた。

