「ひ、氷雨…?」

「………ぶふっ」

「…………は?」

「あははははははは…ちょっ……僕の予想通りの反応だねっ……ふふふっ…」

…どういうことだ。

「あーっと…。ごめんね、唯香?実は嘘。ちょっと困らせてみたかったんだ…ふふふっ…。」

楽しそうに笑う氷雨。
つまり、氷雨は鈴香のことが好きじゃなかった、そういうことだ。

「いやぁ…、だってさ、鈴ちゃんはさ、恋愛対象には見れないよ?
幼馴染なんだからさ、もう兄妹みたいな感覚だし。」

「確かにそうだけどさ…。」

「そもそも、僕が水垣さんって呼ぶわけ無いよ?気付くかなって思ったんだけどなぁ。」

前に言った、腹黒な上に毒舌というのを訂正しようと思う。

…こいつは、腹黒な上に毒舌で………
人を困らせたりするのが大好きなドS野郎だ。
こいつをそう思ったのは、チラチラこちらを見ていた田中やクラスの女子や男子も思ったであろう。
しかしこいつのSっぷりは昔から知られていることなので、驚くものはいないが。