キライなあいつをスキになりました。




「伊吹のことは?予想外だった?」






「あー、うん。いくらかライバルはいるとは思ってたけど、ルックスもよくて、優しい奴がライバルになるとは思ってなかった。まあ、多少短気でガキっぽいところはあるけど。」






「まあ確かにね。でも、ルックスも性格も春輝負けてないと思うけど。」





「どうだか。......最初は焦ってなかった。俺の方が奏ちゃんのことわかってるつもりだったし、有利だと思ってたけど......世の中甘くないね。」






「なんで?」






「奏ちゃんは俺のことを恋愛対象として見てくれていない。体育祭の時、借り物競走で俺、好きな人ってお題の紙拾っちゃって......奏ちゃん連れてったら、俺の気持ちわかるかなって思ったんだけど。」





「だめだったんだ?」






「うん。むしろ、好きな子できたら一番に私に言ってねって言われたよ。それって、俺のこと意識してくれてないから、言えることでしょ?」






「うん......絶対とは言えないけど、まあ、大体はそうね。」







「だから、俺、その時から少し焦ってる。余裕ない。この海で距離が縮まればって思って来たのに、ペアは美生ちゃんだし......。」






「悪かったわね。」






キッと俺を睨む美生ちゃん。






「あっ......いや、そういうつもりじゃないんだけど......。」






「はあ。まあ、今頃あのふたり、あんなことやこんなことしてるんでしょうけど。」






!?!?!?






「え!?」






「嘘よ。ほんとに余裕なくしちゃったのね。」





なんだ、冗談か......。





心臓に悪いな。






「あ、あった。」






その時、美生ちゃんがひとつの貝殻を持って俺の方へ歩いてきた。






俺も、しゃがんでいる体勢から立ち上がった。






「おー。じゃあ、そろそろ時間だし戻ろっか。」






俺達は集合場所へと足を運んだ。