キライなあいつをスキになりました。

優人side




貝殻がなかなか見つからなくて、俺も美生ちゃんも疲れきっていた。






「はーあ、この海、綺麗すぎ。ゴミひとつ落ちてない。」





「まあ、綺麗なことはいいことだけどね。」






「貝殻くらいは落ちててもいいと思うけど。」





まあ、たしかに。





しばらく黙って探していると、美生ちゃんが話しかけてきた。






「奏のこと......ずっと好きだったの?」






俺は少し驚いたけど、すぐ答えた。






「......うん。幼稚園の頃からずっとね。忘れない日はなかった。」






親の都合で、九州に引っ越すことに決まった時は、嫌で嫌でしょうがなかった。






いつか絶対戻ってくる。





引っ越す前に奏ちゃんに会っちゃうと、余計悲しくなるから、俺は黙って引っ越した。





「へえ。すごいね、一途って。」





「俺には奏ちゃんしかいない。小学校中学校って、いろんな人がいたけど、やっぱり
奏ちゃんしか好きになれない。」






って、こんなこと美生ちゃんに言っても、仕方ないんだけどね。






本当は本人に言いたいけど、まだ早い。






そんな気がする。