俺は、自然と手が蒼井に伸びた。 見つけたとき、できなかったこと。 こいつを抱きしめること。 「えっ......ちょっ、私汚いよ!土まみれだし、誇り臭いし......」 ごちゃごちゃ言ってても、全然耳に入ってこねえ。 「無事でよかった............。」 蒼井の手は、最初は布団の上にあったものの、だんだんと俺の背中に回って、優しく、抱きしめてくれた。