キライなあいつをスキになりました。




保健室に着き、思い切ってドアを開けた。






ちょっと勢いがありすぎたか?






ベッドにいる蒼井と、その横の椅子に座っている春輝が、驚いた顔をしてコッチをみた。






「伊吹!」






蒼井が俺の名前を呼んだ。







「......大丈夫か?」






「うん。肘とか膝とか、少し擦りむいただけ。そんな怪我してないよ。」






擦りむいたところを見せてくれたけど、全部絆創膏が貼ってあった。






春輝にやってもらったんだな。






「あ、これ、水筒とタオル。朱木が持ってけって。」







「わあ、なんかごめんね。大したことないのにこんなことまで......。」








申し訳なさそうな顔をする蒼井。







「大したことあるだろ。お前、閉じ込められたんだぞ、春輝が見つけてくれたから、なんとか助かったけど......見つからなかったらお前、どうなってたか「まあまあそこらへんにしてさ。」」





俺の言葉を春輝が遮った。






......ったく、こいつはなんなんだよ。