陣地に着いて、担任に蒼井のことを話した。
女たちに襲われて出れなくなっていたとは言えなかったため、派手に転んで保健室に行った、とだけ伝えておいた。
陣地には、蒼井の鞄の中から水筒やいろんなものを出していた朱木がいた。
「あ、よかった、来てくれて。これ、奏の。まだ、教室に着替えあるから、それ、持って行ってくれない?」
........................俺が?
「あんたが行くのよ。小山は私と一緒に教室行くわよ。」
「え!?え、あ、おう!」
嬉しそうにする小山。
きっとこれは、朱木のメッセージ。
さっき俺が思っていたこと、きっとこいつには伝わったんだろう。
このまま2人にしておいていいのか。
そんなのは嫌だ。
「わかったよ。行ってくる。」
俺は荷物を持って保健室に行った。
