キライなあいつをスキになりました。

優人side





時計を見ると、探し始めてから1時間が立っていた。




そろそろ見つけねえと......。





すると、遠くに春輝の姿が見えた。





春輝は今はもう使われていない倉庫の前に立っていた。






俺は春輝のところへ駆け寄った。






「春輝。いたか?」





「この倉庫、気になるんだけど......。」






春輝は、鍵のかかっている倉庫をじっと見つめていた。




見るからに分厚くて、重たそうな扉。




俺は、その倉庫の扉の鍵を外し、扉を開けた。





すると、そこには泣いている蒼井の姿があった。





「奏ちゃん......!!!」





「蒼井!!!!」




「春輝......?伊吹......?」




蒼井は震えた声でそう言った。





よかった..................。





手を差し延べようとしたら、隣にいた春輝が、蒼井の腕を引っ張って抱きしめた。