キライなあいつをスキになりました。





俺のせいで、奏ちゃんがいじめられていることは、美生ちゃんに聞いた話だった。






『僕の奏ちゃんをいじめるな!いじめたらみんなのこと嫌いになるからな!!!』






奏ちゃんをいじめた女の子たちに、俺はそう言った。






女の子たちは泣きながら帰っていった。






『春輝、ありがとう。』





奏ちゃんは、そう言って、ぎゅーっと抱きしめてくれた。





それが、こうやって高校生になっても続くなんて、恐ろしい世の中だ。





探し回っていると、小さい倉庫が目に入った。





「あそこは確か、使われていない倉庫......。」





何となくその倉庫へ近寄った。





倉庫には鍵がかかっていて、外からしか開けれないようになっていた。