キライなあいつをスキになりました。

美生side




奏は、誰にも恨まれるような子じゃない。





ただ、ひとつ考えられるのは、男関係。





伊吹や春輝と仲がいいから、それを妬んだ女たちがきっと............






「だとしたら、最低。」





「え?なんか言った?」





近くで奏を探していた小山が私の方に振り返った。





「何も言ってない。早く見つけなきゃ。」






「うん。......蒼井ちゃーん!蒼井ちゃーん!」





奏............





「奏ー!どこなのー!!奏ー!!!」





あの時、奏を引き止めていればよかった。





そうすれば、今頃普通に、奏と陣地に座っていたのに............






泣きそうになっても、なんとかこらえながら、懸命に奏を探した。