「えーっと、確か自動販売機はこっちだったような......。」
「ねえ!あなた、蒼井奏ちゃん、よね?」
後ろからいきなり声がして、ちょっとびっくりしながらも、振り返ってみた。
そこには知らない女の子たちが数人いた。
「あ、はい......そうですけど......。」
私になんか用かな?
でも私この人たち知らないし......。
「ふふっ。誰だろうって顔してるわね。まあいいわ。こっち来てくれない?」
ひとりの女の子にそう言われて、飲み物を買えずにわたしはその人達についていった。
着いたのは校舎の裏。
「............あなた、自分が何してるかわかってる?」
........................え?
私......なんかしたっけ......?
ていうか、この人達なんか怖いし......。
「なにとぼけた顔してるのよ!まさかわからないの?私達の伊吹優人くんや森田春輝くんに手出しておいて!!!!」
....................................???
え?え?待って、ぜんっぜんわかんないんだけど......?
「わ、私、手なんか出してない「この場に及んでまだとぼける気?いい加減にしなさいよ!」」
ドンッ!!
肩を強く押され、コンクリートに体を強くぶつけてしまった。
(い、痛い......)
なんなのよこの人達......。
「誤解してるみたいだけど、私、伊吹とはただの友達だし、それ以下でも以上でもない!!春輝とは、幼稚園が一緒だったから今も仲良しなだけで、手なんか出してない!!!」
「......むかつく。自分の非を認めないなんて。私達の優人くんや春輝くんを呼び捨てで呼んだりして......それが気に食わないのよ!」
「なによそれ......。」
すっごく意味不明。
「じゃああなたたちも呼べばいいじゃない!私が2人をどう呼ぼうと勝手でしょ!?」
「~っ!!!!!!あんた......黙って聞いてれば調子乗っていろんなこと言ってくるのね。うざい。むかつく。」
「うざいとかって言葉で相手を陥れたつもり?痛くも痒くもない。」
「あんたねえ......素直に謝ってればよかったのよ。なのに口答えしてくるから、悪いのよ?」
とたんに私は、腕と肩を掴まれた。
い、痛い!!!!!
着いた場所は今は使われていない倉庫。
「何する気!?」
「決まってるでしょ?この中で少し頭を冷やしてもらうのよ。」
ドンッ!
「わわわ!!!!!!」
私は逃げる間もなくその倉庫に押入れられた。
出ようとした時にはもう遅かった。
ドアの向こうから聞こえるあの女の声と、他の女の笑い声。
ドアは、鍵が締まっていて開かない。
