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「ここ!私んち。ね?東駅から近いでしょ。ほんとに歩いて帰るの?」
「ん。電車にしよっかな。」
「うん、そうしなよ。その方絶対早いって。」
「おー。」
「じゃあ、送ってくれてありがと。ばいばい!」
私は伊吹に手を振って、家へ入った。
伊吹は、きっと、すごく優しい。
今のはきっと、最初から電車で帰る気してたんだと思う。
けど、私のことを心配して、歩くの好きだから、なんて嘘混じりなこと言って、送ってくれたんだよね。
「ふふっ、優しすぎでしょ。」
「奏ー?帰ったのー?」
リビングからお母さんの声がした。
「あ、うん!!!ただいまー!!」
春輝にも会えたし、伊吹の優しさを知ることもできたし、今日はすっごくいい日だったなあ!
