「............あいつはあの春輝ってやつを好きなんだろ?じゃあ俺は引っ込むしかねえだろ。」
奪うとか、そんな修羅場っぽくしたくねえし。
「奏は、春輝のこと好きだよ。」
..............................。
「......知ってるよ。だからさっきも言ったけど俺は「友達としてね。」」
........................?
「奏は春輝のことを家族と同じくらい大切に思ってる。友達以上の存在だけど恋人未満の相手。家族同然の春輝が奏に何にも言わないで急に遠くに行っちゃったんだもん。奏はすごくショックだったみたいだよ。そんな春輝に会えたから、ああやって泣いてる。」
こいつ......蒼井のことなんでもわかってるんだな......。
ん?でも待てよ......?
「お昼の時お前、あいつに言ってたのはなんなんだよ?奏の初恋の相手......とか。」
俺の言葉に少し悩んだ朱木は、しばらくして思い出したように話しだした。
「あーあれね。あんたが奏のことを好きなの知ってたから焦らせてやろうと思って。悪い?」
はあ???
こいつ、なかなかレベルたけえな......。
「冗談だから気にしないで。あんたが気にしなきゃいけないのは奏じゃなくて春輝の方。」
「え?」
「奏はその気ないかもしれないけど、春輝は奏のこと、本気だと思うよ。それこそ幼稚園の頃からね。」
まじか~........................。
「まあでも、あんたのほうが有利じゃない?クラス一緒なんだし、いつでも話せるじゃん。まあ顔はそこそこいい勝負だけど。」
俺もそう思う。
顔の方はどうだか知らねえけど。
「俺、頑張ってみる。あいつを、振り向かせれるように。」
あいつはまだ、誰の女でもないんだ。
だったら、俺にも全然チャンスはある。
あの春輝ってやつには、絶対渡さねえ。
