その時閃いたんだ。


「手段は問わないんですよね?」

「うん悪知恵働かせてみなよ」


彼の挑発するような口調が挑戦的な瞳が私の次の行動を促した。


「…何…してんの…?」


彼が呆気に取られてる隙に彼の両頬を押さえて唇を塞いだ。

私が口内に含んだチョコは口の中で少し溶けてしまったものの半ば強引にこじ開けるような形でそのチョコを彼の口内へ。

唇を放すとお互い無言で。

やっぱり怒られるだろうか…でも手段は問わないって言われたし。

問題はない…気がする…。


「あ、あのー…すみません…やっぱりこれじゃあダメですか?」

「…………」

「力じゃ叶わないのは分かってたし言い負かすなんて絶対無理だと思ったので…。だったら意表突いてやろうかなあって出来心で…。あ、でも全部が全部私の意思ってわけじゃありません!さっき校内でいちゃついていたカップルが居たので…参考に…」

「…外…」

「え?」

「全くの予想外過ぎて上手く言えない」


口元を覆い隠すように呟かれた言葉。

あれ?丘野君…何か顔赤い?

これはもしや…照れ…てる?