「大丈夫よ。リンには1ヶ月間3人でこの家に暮らしてもらうから。お母さんがいなくても寂しくないわよ。」
「…………3に……ん?」
手でグッドしながら言うお母さんの言葉を理解するまで、少し時間がかかった。
え?
私がこの家で私と誰か2人で暮らすってこと!?
「あと2人って誰よ!!」
「可奈ちゃんのところの息子さん達よ。話によれば、ちょうどリンと同い年で学校も同じらしいわよ。写真見せてもらったけど、2人ともイケメンだったわよ。よかったわね。彼氏をつくるチャンスよ。」
ニコニコ笑顔のお母さんの妄想はすごいところまで広がっていた。
てか、2人ってことは兄弟ってことだよね?
イケメンって聞いて真っ先に王子の顔を思い浮かべたけど、兄弟はいないらしいし。
一体誰!?
「お母さん!可奈さんの名字は?」
「え?可奈ちゃんの名字は確かな……」
ピンポーン──
お母さんが言おうとしたとき、タイミングよくチャイムがなった。

