結局勝ったのは和くん。
アクションを見ることにしたらしい。
血が見れないってなんか可愛い。
「じゃ、二人とも楽しんでねー! 」
あれから10分くらい。
それぞれ上映の時間もあるから
別行動になった。
結局今日は和くんと一言も話せなかった。
なんか話しかければよかったなぁ。
まぁ、気を取り直して
ラブストーリーで感動することにしよう。
中に入って、見るのに備える。
ジュース良し。ポップコーン良し。
あとはトイレだな。
「絵麻、私トイレしてくるね?」
「行ってらっしゃい!」
昔、超大事なシーンでトイレしたくなって
すっごく後悔した嫌な思い出がある。
もうあれは、色々な意味で泣いた。
「はーるな。」
「え。」
トイレが恋しい、位まで考えてた私は、
いきなりの呼びかけにしばらく戸惑ってた。
目の前には....和くん。和くん!?
「和くん!?」
「お、おう。」
あまりに勢い良く言ってしまって
ちょっと和くんもびっくりモード。
うわあ、めっちゃ恥ずかしい。
「遥奈トイレ?」
「あ、はい。そうです。」
トイレってなんか恥ずかしいな。
しかも今の言い方だと、私がトイレみたい。
何故か、ってかやっぱり無言で
同じ方向に二人でひたすら歩いてる。
和くんもトイレかなあ。
「あ、そうえば、
こないだお前に相談したいことあって、
呼ぼうと思ったんだけど、
よくよく考えたら俺、
おまえの連絡先知らなくてさ。」
「あぁ。そうですよね。」
「だから、連絡先教えて?」
「あ、はいっ。」
手が震えて携帯が落ちそう。
こんなすんなり連絡先ゲットしちゃった。
「ありがとう。
じゃ、映画楽しんでね。 」
「あっ、はい!」
新しく登録された“和くん”の連絡先をみて
多分にやけてるだろうなあ、私って思う。
もう、嬉しくてたまらない。
結局手の震えは、映画を見終わるまで止まらなかった。
