スナオじゃないキミ.







みんなが帰っていく流れにのって


部活に行こう。おし。


何気なく後ろについてってみる。



「中西さーん?」


振り向くと悪魔笑顔の和くん。


「は、はい。」



「ちょっと残ってもらっていい?」



「はい.....。」




和くんと二人きり。


こないだは、他の係の人もいたから


まだ大丈夫だった。けど。


今回はほんとに二人きり。



「お前、なんかこの企画に使う写真にこだわりある?」


「いやぁ、全然ないです。」



「なら俺勝手に決めていい?」



「あっ、はい。全然。」



和くんがなにかを書く音だけ響いて


あとはシーンって静か。



緊張するなあ。



「チア部 、学祭に向けて練習してんの?」



「してます。」



「チア部この時期になるとやたらダイエットし始めるよな。」




確かに、あの短すぎるスカートをはくには

ダイエットが必要だなあ。



私もそろそろ始めなきゃな。


「あ、お前それ以上痩せるのはマジでやめろよ。

俺ほんとに怒るからな。」



「えぇ〜、でも先輩が思ってる程

痩せてないですよほんと。」



“和くん”って直接呼ぶのが少し恥ずかしくて


“先輩”呼びにした。


でも、それを察した和くんは悪魔笑顔。



「......先輩ってどこの先輩?」


「私の目の前の先輩....です。」



「俺先輩って名前じゃねーよ?」



「和先輩。 」


「迷子少女、反抗期?

俺の呼び方は?」



久しぶりの迷子少女が


なんか嬉しくて悲しい。



「和くん .....。」



「なーんだ。

これ以上続いたら、このまま部活行かせないつもりだったのに。

ざーんねん。」



普通だったら怖いはずの強引さも


なぜか、嫌じゃない。



「あと俺やっとくから部活行ってきていーよ。

ただ、遥奈と話したかったから残しただけだし。」



どうしよ、やっぱりこの“特別感”が嬉しい。





これ以上ここにいたら


心臓破裂しそうだった。



まだいたいけど、早く出たい。


「お疲れ様です。」



「お疲れ。

なんかあったらまた呼ぶ。」


「はいっ。」





やっぱり和くんといると

心臓が痛い。