でも彼女はただヘッドホンをかけ、寝転んでいるだけで何一つしなかった。 6時前の夕焼けが沈むころ、彼女はガバッと身体を起こし、時計を見て、慌てて走って帰った。 その焦りようは見ているこっちも焦らせるぐらいだった。 俺の横をものすごい勢いで通り過ぎた。 だから顔ははっきりと見えた。 勢いは凄かったものの、洗濯のいい香りがした。