「・・・ふうって鈍いよね」
「しっ!」
茉緒と那都のほうを見ると、
慌てて笑顔を作る那都と、何か言いたそうな顔の茉緒と目があった。
「鈍いって何のこと?」
「あーあー、どうすんだよ武田ぁ」
「ちょっ、お前野次飛ばすな!」
武田君はといえば、野次を飛ばす男子に掴みかかっている。
「たけ「・・・笹宮」」
「え、はい」
「今日放課後・・・笹宮に言いたいことがある」
急に真面目になった武田君。それとは反対にどっと騒ぐ教室内。
「はい」
少し変わった教室内の空気に違和感を感じながらも、武田君への返事は“Yes”だった。

