「俺からしたら1時間も会えないだけでも、寂しいんだよー!」
「……あっそう」
「葵ちゃんってば照れてるの?かわいー!」
少し恥ずかしそうに目をそらした葵ちゃんを撫でる多田くん。
葵ちゃんってばほんと可愛いなぁ。
私が男でも葵ちゃんを好きになりそう。
「はぁ?照れてないっ!」
多田くんの手を払いのけて、自分の席に着く。
ふふ、朝からちょっとホッコリしちゃった。
2人は見てるだけで幸せな気持ちになる。
はやく2人が結ばれるといいな……なんて、葵ちゃんに言ったら怒られるかな。
キーンコーン―――
チャイムが鳴り、私も自分の席に着く。
ふと隣の席を見る。
拓磨くん、いつ帰ってくるのかな?
「はーい、HR始めるから席につけー」
担任が入ってきて、HRが始まる。


